航空機マニュアル制作
中央図研へ入社したきっかけ、動機
日本の大学卒業後、ずっとアルバイトで貯めていたお金を全てはたいてアメリカ・カナダへ渡り、現地のIT関連企業で働いていました。
労働ビザが切れるのを機にカナダ中を旅してまわり、ほぼ無一文で帰国。スーパーで季節外れのリクルートスーツ(5000円)を作って合同企業説明会へ行き、一番最初に面談した会社が中央図研でした。
たしか『航空機のマニュアル制作者募集』とあり、応募したと記憶しています。入社動機は“一番早く雇ってくれる会社”という身も蓋もない理由です。
しかし一番最初に面談をしたという事は、今思うと一番興味があったのだと思います。
現在の仕事内容
大手航空機メーカーが製造する民間航空機の「整備マニュアル」の制作を担当しています。
航空機のマニュアルは国際規格(米: ATA iSpec 2200 / 欧: S1000D)によって書き方が決められており、SGMLやXMLといったプログラム言語を使い、すべて英語で記述しています。
また最近は航空機マニュアルの先進性を取り入れようとする動きが広がっており、航空機マニュアルの規格に則って、航空機以外の輸送機器のマニュアルも制作しています。
さらに他業務にて、通訳として海外パートナー企業との調整を行うこともあります。
仕事のやりがい、魅力、達成感など
ヨーロッパ規格(S1000D)の航空機マニュアルを完全に自社制作できるのは、日本国内では中央図研だけです。国内では他に誰もできない仕事をしているという事実に、やりがいを感じています。
また、海外からもマニュアル制作の依頼を受ける機会があり、当社を知っている人がいる事をとてもうれしく思います。どのように当社のことを知り得たのか、いつも不思議なのですが・・・。
仕事における将来のビジョン、夢や希望など
海外の航空機部品メーカーによるマニュアル制作のコンペでは、ときに海外競合他社に敗れてしまう事があります。 距離や時差、価格だったりと敗因は様々ですが、最大の要因は人材の規模です。
最後に日本のメーカーが主体となって民間航空機を開発したのが約40年前。今日まで国内では海外航空機メーカーの航空機部品を一部製作するだけでしたので、マニュアルもそれに付随する部分的なものに留まっていました。
そのため民間航空機マニュアル全般を新規制作できる人材層が、国内にほとんど残らなかったのが現状です。
民間航空機マニュアル制作のプロを沢山育て、一緒に海外企業との競争にも負けないグループにしていくのが私の夢です。
ズバリ、あなたにとって仕事を「ひとこと」で表すと
“自己表現”
航空機マニュアルは書き方が国際規格でキッチリ決まっていても、やはり上手な書き手によるマニュアルは読みやすく、行間にその人の意志が透けて見えます。
様々な制約がある中でも最大限の仕事をする。私もそんな事を心がけています。
未来の新入社員の方にメッセージ
勉強・研究ももちろん大切ですが、自分の机に向かっているばかりでは世界で生き抜いていく力が身に付きません。
あいつは遊んでばかりだと言われても、色々な国や場所に行って見て触れて体験してみて、そこで生きている人たちの力強さを自分の肌で感じてください。
航空機製造は、今や多数の国が連携して開発製造しなければならない大型プロジェクトです。
国や文化や考え方がまったく違う人たちをまとめて一つの製品を作り上げる。世界の何処へ行っても仕事ができる人物を目指してください。